仮想通貨の資金調達率(ファンディングレート)の解説

要点。資金調達はトレーダー同士の支払いで、証拠金ではなくポジション全体(想定元本)にかかります。中立的なレートは8時間あたり0.01%(1時間0.00125%、年率約11%)で、無期限先物が現物から約0.05%以上離れたときだけこの水準から動きます。ハイパーリキッド(Hyperliquid)とライター(Lighter)は毎時、アスター(Aster)・Binance・Bybit は BTC・ETH で8時間ごと(アルトは4時間ごとが多い)に支払います。2026年9月26日までの1週間、1万ドルの BTC ロングは取引所によって8〜22ドル、混雑したアルトでは最大138ドルを支払いました。

BTC の資金調達率ハイパーリキッドライターアスターBinanceBybit
8時間あたり0.0100%0.0096%0.0092%0.0099%0.0055%
年率換算11.0%10.5%10.1%10.8%6.0%
支払い間隔1時間1時間8時間8時間8時間

2026年10月20日 03:53 UTC時点(ハイパーリキッドは 2026年10月20日 03:53 UTC)。プラス=ロングが支払い。6銘柄の一覧は資金調達率一覧(取引所比較)へ。

プラス(+)のときマイナス(−)のとき
先物価格と現物先物が現物より高い先物が現物より安い
支払う側ロングがショートに支払うショートがロングに支払う
市場の偏りレバレッジのロングが多い(強気に偏り)レバレッジのショートが多い(弱気に偏り)
よくある場面上昇相場、新規上場、ミームコイン急落の後、ヘッジの売りが集中したとき
先物カーブの用語コンタンゴバックワーデーション

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1. 資金調達率(ファンディングレート)とは:プラスとマイナスの意味

無期限契約には満期がなく、価格を原資産に引き戻す決済日がありません。その代わりが資金調達です。一定間隔ごとに、プレミアムを払っている側が自分のポジション価値の小さな割合を反対側に渡します。無期限が現物より高ければレートはプラスでロングが支払い、安ければショートが支払う。トレーダーがこの支払いを裁定で消していくことで、誰も強制しなくても無期限の価格は現物に収束します。(無期限先物そのものの仕組みは無期限先物とはへ。)

なお、ここでいう「資金調達率」は、企業が株式や借入でお金を集める「資金調達」とは関係がなく、英語の funding rate の訳語です。取引所によって「資金調達率」「資金調達料率」「ファンディングレート」「ファンディング手数料」と表記が分かれますが、指しているものは同じです。

3つの「違うもの」があります。取引所が徴収する手数料ではない:Binance のドキュメントは「ロングとショートの間の資金のやり取りを仲介するだけ」でサービス料は取らないと明記し、ハイパーリキッドとライターのドキュメントも「純粋にピアツーピアで、取引所は手数料を取らない」と述べています。取引手数料の一部でもない:手数料は約定ごとに別途かかります。そして証拠金に対する金利でもない:ポジションの想定元本全体に課されるので、10倍レバレッジで1,000ドルの証拠金のポジションは1万ドル分の資金調達を支払います。

資金調達(ファンディング)取引手数料金利(信用取引など)
払う相手反対側のトレーダー取引所貸し手
かかる対象資金調達の時刻ごとに、ポジション全体の価値約定ごと(新規と決済)借りた額に、時間に応じて
受け取れるか自分の側が払う側でなければ受け取れるメイカーリベートのみ受け取れない
対象無期限先物すべての取引現物の信用取引

2. ファンディングレートの計算式

中央集権・分散型を問わず、ほぼすべての仮想通貨取引所が同じ計算式を使っており、よく参照されるのは Binance の資金調達率 FAQ(2019年公開)です。ハイパーリキッド、ライター、アスターも同じ構造を使い、サンプリング方法と上限だけが異なります。8時間レートは:

F = P + clamp(I − P, −0.05%, +0.05%)

  • I:金利成分 — 8時間あたり0.01%(日0.03%)に固定。コインではなくドルを保有するコストを表します。Binance は ETHBTC など一部ペアで0%、アスターは BNBUSDT などで0%に設定。
  • P:プレミアムインデックス — 無期限の板が現物インデックスからどれだけ離れているか:P = [max(0, インパクト買値 − インデックス) − max(0, インデックス − インパクト売値)] / インデックス。インパクト買値・売値は、決まった「インパクト想定元本」を板で執行したときの平均価格です(ハイパーリキッドは BTC・ETH で20,000 USDC、その他は6,000 USDC)。Binance とアスターは P を5秒ごとに算出し、間隔の後半ほど重く加重平均、ハイパーリキッドは5秒ごとに算出して1時間ごとに平均、ライターは1分に1回(ランダムな秒)算出して1時間60サンプルを平均します。
  • クランプ — P が I の ±0.05% 以内にあるとき、レートを I に引き戻します。Binance はその帰結を明記しています:プレミアムが −0.04% から +0.06% の間にある限り、資金調達率はちょうど0.01%。流動性の高い銘柄が何日も同じ数字を出すのはこのためです。

計算例(Binance 自身の例)。平均プレミアムインデックス 0.0429%。clamp(0.01% − 0.0429%) = −0.0329% で ±0.05% の帯の内側。F = 0.0429% − 0.0329% = 0.0100%。無期限は4ベーシスポイント割高で取引されていたのに、レートは基準値に着地しました。ではプレミアムを1%にすると(ハイパーリキッドのドキュメントも同じ例を使っています):クランプは −0.05% で飽和し、F = 8時間あたり0.95%。プレミアムが消えるまで、ロングは1万ドルあたり8時間ごとに95ドル支払います。ただし取引所の上限が先に効く場合はそこで止まります(Binance とアスターの BTCUSDT は8時間0.3%が上限なので30ドル)。

支払い間隔への換算。計算式が出すのは8時間レートです。ハイパーリキッドとライターはその1/8を毎時支払い、アスターと Binance は N時間間隔の銘柄で 8/N で割ります。4時間ごとの銘柄は8時間レートの半分を2倍の頻度で払うので、1日のコストは同じでも画面の数字は違って見えます。

上限。Binance は USDⓈ-M の BTCUSDT・ETHUSDT を1回あたり ±0.3%、ほかの大半の銘柄を ±2%(2026年9月27日時点で791銘柄中696)に制限しています。SOL・XRP の ±0.375% のように、より厳しい上限の銘柄もあります。アスターの BTC・ETH も ±0.3%、Bybit の BTCUSDT は ±0.333%。ハイパーリキッドは全銘柄1時間あたり4%で、意図的にはるかに緩い設定です。ライターは8時間あたり4%(1時間0.5%)で、RWA 市場ではプレミアムを1/2、プレIPO 市場では1/100に縮めます。

3. 取引所ごとの支払い間隔・上限・使われる価格

取引所間隔金利成分上限想定元本の価格
ハイパーリキッド毎時(8時間レートの1/8)、全銘柄共通8時間あたり0.01%=0.00125%/時全銘柄 1時間あたり4%オラクル(現物)価格
ライター毎時暗号資産は8時間あたり0.01%(RWA は低め、FX は0)8時間あたり4%(0.5%/時)。RWA はプレミアム×1/2、プレIPO は×1/100インデックス価格
アスターBTC・ETH は8時間。その他は4時間・2時間・1時間(2026年9月26日時点で759銘柄中 8時間309/4時間355/2時間3/1時間92)8時間あたり0.01%を間隔に合わせて按分(BNBUSDT などは0%)BTC・ETH ±0.3%、SOL・XRP ±0.375%、多くのアルト ±2%マーク価格
Binance USDⓈ-M主要銘柄は8時間、多くのアルトは4時間(HYPEUSDT も4時間)BTC・ETH は8時間あたり0.01%BTC・ETH ±0.3%、多くのアルト ±2%(例:HYPEUSDT)マーク価格
BybitBTC・ETH・SOL・HYPE は8時間、一部アルトはより短い8時間あたり0.01%BTCUSDT は ±0.333%、ほかは銘柄ごとマーク価格

各公式ドキュメント(2026年9月27日再確認)と、アスター・Binance・Bybit の公開 API(fundingInfo/instruments、2026年9月26〜27日)。

つまずきやすい点が2つ。第一に、支払いは決済タイムスタンプ時点でポジションを持っている人に発生します。Binance の8時間市場なら UTC 0時・8時・16時(日本時間9時・17時・翌1時。4時間市場はさらに UTC 4時・12時・20時)、ハイパーリキッドなら毎正時。日割りはなく、59分持って閉じれば支払いはゼロです。第二に、想定元本の価格が違います。Binance とアスターはマーク価格、ハイパーリキッドはオラクル(CEX 現物価格の加重中央値)、ライターはインデックス価格。流動性の高い主要銘柄では誤差ですが、マークとインデックスが乖離する薄い市場では違います。ハイパーリキッドの計算式と毎時の上限は第2章、3つの DEX の逐条比較は第9章で。

4. 数字の読み方:毎時・8時間・年率

最大の混乱のもとは、取引所によって表示の基準が違うことです。ハイパーリキッドは1時間あたりのレートを、Binance と Bybit は通常8時間の1回あたりのレートを表示します。ハイパーリキッドの「0.00125%」と Binance の「0.01%」は同じものです。比較するにはハイパーリキッドの数字を8倍するか、ハイパーリキッド自身の Funding Comparison ページを使えば換算済みで並びます。日本語の解説記事の多くも8時間基準です。

8時間レート1時間あたり1日あたり年率(単利)
0.01%/8h(基準値)0.00125%0.03%10.95%
0.05%/8h0.00625%0.15%54.75%
0.10%/8h0.0125%0.30%109.5%
0.30%/8h(Binance・アスターの BTC 上限)0.0375%0.90%328.5%
1.00%/8h0.125%3.00%1,095%

年率 = 8時間レート × 3 × 365。ハイパーリキッドのドキュメントは基準値を年率11.6%(複利)としていますが、単純計算では10.95%です。CoinGlass などのアグリゲーターが示す取引所横断の「OI 加重」「出来高加重」レートはセンチメントには便利ですが、あなたの取引所であなたのポジションがいくら払うかを知るには役に立ちません。

5. ファンディングレートのコストと試算

1万ドルのロング(証拠金ではなく想定元本)をさまざまなレートで保有したコスト。同じレートのショートは同額を受け取ります。

レート8時間あたり1日あたり1週間1か月(30日)
基準値 0.01%/8h1.00ドル3.00ドル21.00ドル90.00ドル
0.05%/8h5.00ドル15.00ドル105.00ドル450.00ドル
0.10%/8h10.00ドル30.00ドル210.00ドル900.00ドル
0.30%/8h30.00ドル90.00ドル630.00ドル2,700.00ドル
−0.05%/8h(受け取り側)+5.00ドル+15.00ドル+105.00ドル+450.00ドル

取引手数料と並べてみましょう。ハイパーリキッドの基本テイカー料率(0.045%)で1万ドルの往復は9.00ドル。基準値の資金調達なら約3日分、0.1%/8h なら約7時間分に相当します。資金調達を端数から主要コストに変えるのがレバレッジです。20倍なら500ドルの証拠金で上の1万ドルを動かすので、基準値の月額90ドルは証拠金の18%、0.3%/8h の行なら1か月で証拠金の何倍にもなり、月末を待たずに清算されます。レバレッジをかけたポジションを数日以上持つなら、見るべきは手数料ではなく資金調達です。

ファンディングコストの試算

ポジションと、取引所に表示されているレートを入れてください。ボタンを押すと、下の一覧表の BTC のレートを各取引所の支払い間隔に合わせて読み込みます。

BTC の最新レート:
支払い回数21回
資金調達21.00ドルを支払い
証拠金に対する割合1.05%
年率換算10.95%

資金調達は各支払い時刻にポジションを持っている場合だけかかるので、保有時間が支払い間隔で割り切れないときは回数と金額を幅で表示します(8時間ごとの取引所で7時間なら0〜1回)。取引所ボタンを押すと、その取引所の BTC の上限レートも適用します。

Funding Rate Calculator — 英語版のツールです(日本語版はありません)。ハイパーリキッド全銘柄の現在のレートを使い、1回・1日・1か月・保有期間の資金調達額を、取引所ごとの支払い間隔と上限(ハイパーリキッドとライターは毎時、アスターは銘柄ごと、エッジエックス・Binance・Bybit はより長い間隔)で並べて比べられます。 — 英語版の計算ツールを開く →

取引手数料と資金調達をまとめて取引所ごとに比べるなら、DEX 手数料計算ツールを使ってください。

6. 資金調達率一覧(取引所比較)

BTC を先頭に、同じ6銘柄を5つの取引所で並べた資金調達率の一覧表です。直接比べられるよう、すべて8時間あたりに換算しています(毎時は×8、4時間は×2)。下の小さい数字は年率換算。プラス=ロングが支払い。各行でロングにとって一番安い取引所を色付けしています。

銘柄ハイパーリキッドライターアスターBinanceBybit
BTC0.0100%年率 11.0%0.0096%年率 10.5%0.0092%年率 10.1%0.0099%年率 10.8%0.0055%年率 6.0%
ETH0.0035%年率 3.8%0.0088%年率 9.6%0.0100%年率 11.0%0.0093%年率 10.1%0.0035%年率 3.8%
SOL0.0100%年率 11.0%0.0096%年率 10.5%0.0100%年率 11.0%0.0086%年率 9.5%−0.0008%年率 −0.9%
XRP0.0100%年率 11.0%0.0096%年率 10.5%0.0100%年率 11.0%0.0090%年率 9.9%0.0098%年率 10.7%
DOGE0.0100%年率 11.0%0.0096%年率 10.5%0.0084%年率 9.2%0.0100%年率 11.0%0.0017%年率 1.9%
HYPE0.0100%年率 11.0%0.0096%年率 10.5%0.0100%年率 11.0%0.0100%年率 11.0%0.0100%年率 11.0%

ビルド時のデータ:ハイパーリキッド metaAndAssetCtxs(2026年10月20日 03:53 UTC)、ライター・Binance・Bybit はライターの公開 funding-rates(3取引所とも8時間換算済み、2026年10月20日 03:53 UTC)、アスター premiumIndex・fundingInfo(2026年10月20日 03:53 UTC)。Binance とアスターの HYPE は4時間ごとの支払い。アスターと CEX は次回支払い分のレート。

よくあるパターンは、ハイパーリキッドとライターが主要銘柄でほとんどの時間基準値(ライターは1時間0.0012%、8時間換算0.0096%として記録)に張り付き、CEX とアスターは BTC で基準値を下回ることが多い、というものです。そのため BTC のロングは Binance やアスターのほうが安く持てる時間帯がよくあります。取引所ごとの差が最も大きいのは HYPE で、符号が逆になることもあります。レートは毎回変わるので、1回の数字は一瞬の写真として見て、数日以上持つなら下の推移も確認してください。

ハイパーリキッドの最新レート:高い銘柄・低い銘柄

以下はこのページのビルド時に公開 API から取得した値です。24時間出来高500万ドル超の市場だけを載せています。2026年10月20日 03:53 UTC 時点で 178 市場のうち、プラス 159、マイナス 19、ちょうど基準値(0.00125%/時)145でした。

資金調達率が高い(ロングの支払いが大きい)

銘柄毎時8時間換算年率1万ドル/日
XMR0.0071%0.057%62.6%17.14ドル
BTC0.0013%0.010%11.0%3.00ドル
ZEC0.0013%0.010%11.0%3.00ドル
HYPE0.0013%0.010%11.0%3.00ドル
SOL0.0013%0.010%11.0%3.00ドル
PUMP0.0013%0.010%11.0%3.00ドル

資金調達率が低い(ショートが支払う、または基準値)

銘柄毎時8時間換算年率1万ドル/日
AAVE-0.0007%-0.006%-6.2%−1.69ドル
BNB-0.0004%-0.004%-3.9%−1.06ドル
ARB-0.0002%-0.001%-1.6%−0.43ドル
ETH0.0004%0.003%3.8%1.04ドル

全 178 市場の出来高・OI・資金調達率はハイパーリキッド市場データのページで見られます。

7. ファンディングレートの推移:7日・30日の累計

表示中のレートは次の1回分の話で、ポジションの本当のコストは履歴を見ないと分かりません。2026年9月26日16:00(UTC)までの7日間と30日間に、ロングが支払った資金調達の合計を各取引所の履歴 API から集計しました。100倍すると1万ドルあたりのドル額になります(0.2181% = 21.81ドル)。

銘柄・期間ハイパーリキッドライターアスターBinanceBybit
BTC 7日0.2181%0.2006%0.0801%0.0850%0.0913%
BTC 30日0.7615%0.7635%0.4540%0.5187%0.4312%
ETH 7日0.2363%0.2016%0.1632%0.1300%0.0903%
ETH 30日0.8339%0.6573%0.5437%0.3797%0.3461%
SOL 7日0.2186%0.1967%0.1163%0.1147%0.0752%
SOL 30日0.5998%0.4713%0.2686%0.2147%0.0637%
HYPE 7日0.2466%0.1659%0.0071%0.1025%0.0039%
HYPE 30日0.7373%0.4694%0.3429%0.5604%0.3576%

2026年9月19日16:00(UTC、7日)・8月27日16:00(UTC、30日)より後〜9月26日16:00(UTC)までの支払い。ハイパーリキッドとライターは毎時(168回/720回)、アスター・Binance・Bybit は8時間ごと(21回/90回)、アスターと Binance の HYPE は4時間ごと(42回/180回)。2026年9月26日取得。

30日間で見ると、BTC ロングはハイパーリキッドとライターで約0.76%、アスター・Binance・Bybit で0.43〜0.52%を支払いました。1万ドルあたり76ドル対43〜52ドルです。毎時の DEX はほぼ毎時間基準値に張り付き、CEX のレートは基準値を下回る時間がたびたびあって、その差が積み上がります。7日間の BTC ではアスターが最安でしたが30日では Bybit が最安、SOL はどちらの期間も Bybit が最安でした。いつも安い取引所はないので、数週間持つ前にこの表を確認する価値があります。

計算例:1万ドルの BTC ロングを5倍レバレッジ(証拠金2,000ドル)で1週間保有し、成行で建てて決済した場合

取引所資金調達(7日)テイカー手数料(往復)合計証拠金2,000ドルに対する割合
ハイパーリキッド21.81ドル9.00ドル(0.045%×2)30.81ドル1.54%
ライター(Standard)20.06ドル0.00ドル(0%×2)20.06ドル1.00%
アスター8.01ドル8.00ドル(0.04%×2)16.01ドル0.80%
Binance8.50ドル10.00ドル(0.05%×2)18.50ドル0.92%
Bybit9.13ドル11.00ドル(0.055%×2)20.13ドル1.01%

BTC では資金調達と手数料が同じくらいの大きさで、毎時の DEX では1週間分の資金調達が往復手数料を上回りました。手数料は1回払い、資金調達は「サブスクリプション」です。20倍なら同じ1万ドルに必要な証拠金は500ドルだけで、ハイパーリキッドの30.81ドルは1週間で証拠金の6.2%になります。

口座を削るのは混雑した銘柄です。同じ週のハイパーリキッドで、24時間出来高500万ドル超の43銘柄のうち、1万ドルのロングが払った額:

銘柄7日間の資金調達1万ドルのロングの支払いマイナスの時間(168時間中)最大レバレッジ
NIL1.3799%137.99ドル03倍
GRASS0.9906%99.06ドル03倍
AERO0.8562%85.62ドル03倍
TAO0.6876%68.76ドル05倍
XPL0.6222%62.22ドル010倍
BTC(参考)0.2181%21.81ドル440倍
TRUMP(43銘柄中で最低)0.0546%5.46ドル2510倍

ハイパーリキッド fundingHistory、2026年9月26日16:00(UTC)までの168時間。最大レバレッジは2026年9月26日の API の値。

AERO を3倍でロング(1万ドルに最低3,334ドルの証拠金)すると、値動きがなくても1週間で85.62ドル、証拠金の2.6%を失いました。同じレートが1か月続けば証拠金の約11%です。損切りに一度も触れていないのに、トレードが赤字で終わる。これが「ファンディング負け」です。

自分の側の支払いが一番少ない取引所で持つ

3つの DEX に口座を作っておけば、資金調達が安いほうへポジションを移せます:ハイパーリキッド(紹介コード HOLYGRAIL で手数料4%引き)、ライター(Standard アカウントはテイカー0%、コード 718610TD)、アスター(BTC・ETH は8時間ごと、コード DTLpLc)。

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8. ファンディングレートの確認方法

取引所の画面で見る。どの無期限先物の取引所も、価格の横に現在のレートと次回支払いまでのカウントダウンを表示しています。ハイパーリキッドでは銘柄ヘッダーの Funding / Countdown(毎時のレート)、チャート横の Funding タブで推移、チャート下の Funding History タブで自分が払った・受け取った履歴を確認でき、Export as CSV で書き出せます。ライターは各銘柄の Funding タブと口座パネルの Funding History タブ、アスターは取引画面のレートとカウントダウンに加えて、全銘柄と支払い間隔をリアルタイムの資金調達率ページで一覧できます。

ハイパーリキッド BTC-USDC の Funding タブ。1時間ごとの資金調達率と累計
ハイパーリキッドの BTC-USDC「Funding」タブ(2026年9月25日):緑が1時間ごとの資金調達率、白が過去1か月の累計。

取引所をまたいで見る。複数の取引所を1画面で見られるトラッカーがあります。

  • CoinGlass(資金調達率一覧表) — 銘柄×取引所の表、OI・出来高加重の平均、ヒートマップ、累計。
  • CoinMarketCap — 平均・最高・最低のレートと銘柄別の表。
  • Coinalyze — 取引所別の現在値・予測値とチャート。
  • ハイパーリキッド Funding Comparison — ハイパーリキッドを Binance・Bybit と同じ基準で並べる。無料・ログイン不要。
  • 取引所の一覧ページ:Binance のリアルタイム資金調達率ページ、アスターのリアルタイム・履歴ページは全銘柄を間隔付きで表示。

外部トラッカーのライター・アスター対応はまちまちで、取引所横断の平均はあなたのポジションが払う額ではありません。動く前に取引所の画面か下の API で確認しましょう。第6章の一覧表は、当サイトが追っている3つの DEX を Binance・Bybit と並べています。

ハイパーリキッドの Funding Comparison ページ。ハイパーリキッド・Binance・Bybit の資金調達率を並べて表示
app.hyperliquid.xyz/fundingComparison は、ハイパーリキッド・Binance・Bybit の資金調達率を8時間基準で並べて表示します(2026年9月)。

ファンディングレートのAPI(ハイパーリキッド・ライター・アスター)

3つのDEXはいずれもAPIキー不要の公開エンドポイントでファンディングを出しており、このページもこれらから作っています。エンドポイント名は2026年10月4日に各取引所のAPIドキュメントで確認しました。

取引所ベースURL現在のレート履歴自分の支払い
ハイパーリキッドPOST api.hyperliquid.xyz/infometaAndAssetCtxs(毎時の funding・premium・oraclePx・markPx・openInterest)、predictedFundings(ハイパーリキッド・Binance・Bybit の次回レートと各間隔)fundingHistory(coin・startTime・任意の endTime。1回最大500件、最後の時刻から続きを取得)userFunding(user・startTime)
ライターGET mainnet.zklighter.elliot.ai/api/v1/funding-rates(ライター・ハイパーリキッド・Binance・Bybit を8時間換算で一括取得)。リアルタイムは WebSocket の market_stats チャンネルfundings(market_id、resolution=1h/1d、start_timestamp、end_timestamp、count_back)positionFunding
アスターGET fapi.asterdex.com/fapi/v1/(v3ドキュメントは /fapi/v3/、どちらも同じデータ)premiumIndex(lastFundingRate・nextFundingTime・マーク・インデックス)、fundingInfo(銘柄ごとの間隔・上限・下限)fundingRate(symbol・startTime・endTime・limit 既定100・最大1,000)income(incomeType=FUNDING_FEE、署名とAPIキーが必要)

ライターのファンディングレートAPIを1回で取る:curl https://mainnet.zklighter.elliot.ai/api/v1/funding-rates は lighter・hyperliquid・binance・bybit の {market_id, exchange, symbol, rate} を返し、rate は8時間あたりの小数(0.000096=0.0096%)です。履歴は /api/v1/fundings?market_id=1&resolution=1h&start_timestamp=…&end_timestamp=…&count_back=168 で、rate は毎時の%表記、direction(long=ロングが支払い)付き。market_id は /api/v1/orderBooks で確認できます(BTCは1、ETHは0)。

ハイパーリキッド:curl -X POST https://api.hyperliquid.xyz/info -H 'Content-Type: application/json' -d '{"type":"fundingHistory","coin":"BTC","startTime":1790000000000}' で毎時の {coin, fundingRate, premium, time} が返ります(fundingRate は毎時の小数)。全銘柄の建玉・マーク・オラクル価格は同じ metaAndAssetCtxs で取れます:ハイパーリキッドAPIガイドの建玉(OI)の取得。支払いはオラクル価格、清算はマーク価格を使う理由はマーク価格とオラクル価格の違いへ。

アスター:curl 'https://fapi.asterdex.com/fapi/v1/fundingRate?symbol=BTCUSDT&limit=21' で直近21回(8時間銘柄なら1週間)が古い順に返ります。合計する前に fundingInfo で間隔を確認しましょう。

簡単な監視なら、1時間ごとに3つの現在レートを取り、8時間に換算(ハイパーリキッドは×8、アスターは fundingInfo の間隔Nを使って×8/N、ライターのフィードは換算済み)し、取引所間の差が往復手数料(ハイパーリキッドのテイカー0.045%、ライター Standard 0%、アスターのテイカー0.04%、DEX と CEX の手数料比較)を超える銘柄に印を付けるだけです。差を取りに行くときの組み方と注意点はファンディング裁定の組み方で。

9. ハイパーリキッド・ライター・アスターのファンディングレートの仕組み比較

3つの DEX は同じ骨格(8時間0.01%の金利成分+±0.05%でクランプされたプレミアム)を使っているので、流動性の高い主要銘柄ではほとんどの時間、同じ基準値に並びます。違うのは、プレミアムの取り方、上限の厳しさ、支払い額の計算に使う価格です。

ハイパーリキッドライター(Lighter)アスター(Aster)
支払い間隔毎時毎時銘柄ごと:BTC・ETH は8時間、ほかは4・2・1時間
表示されるレート1時間あたり(8時間式の1/8)1時間あたり(8時間式の1/8)1回あたり:F ÷(8 / N)、N は間隔(時間)
プレミアムの取り方5秒ごとに算出し1時間で平均1分に1回ランダムな秒に算出、60サンプルの時間加重平均5秒ごと。間隔が1時間超の銘柄は後のサンプルほど重み大
金利成分8時間0.01%(毎時0.00125%)暗号資産は8時間0.01%、RWA は低め、FX は08時間0.01%。BNBUSDT などは0%
上限全銘柄で1時間4%8時間4%(毎時0.5%)。RWA はプレミアム×1/2、プレIPO は×1/100銘柄ごと:BTC・ETH ±0.3%、SOL・XRP ±0.375%、多くのアルト ±2%(1回あたり)
支払い額に使う価格オラクル(現物)価格インデックス価格マーク価格
インパクト想定元本BTC・ETH は20,000 USDC、ほかは6,000 USDC500 USDC ÷ 初期証拠金率Impact Margin Amount ÷ 最大レバレッジ時の初期証拠金率(変更あり得る設定値)
取引所の取り分なしなしなし

各公式ドキュメント(ハイパーリキッドの funding・contract specifications、ライターの trading/funding、アスターの funding-rate、2026年9月27日再確認)とアスターの fundingInfo API(2026年9月26日)。

  • 上限が「踏み上げ」の痛さを決める。ハイパーリキッドの毎時4%という上限は意図的にゆるく、ポジションが偏った小型銘柄では、支払う側の1時間あたりのコストがライター(毎時0.5%)やアスター(多くのアルトで1回±2%、4〜8時間ごと)よりはるかに大きくなり得ます。偏った取引の支払い側にいるなら、上限の厳しい取引所のほうが安全です。
  • アスターは急変時にルールを変えることがある。公式ドキュメントは、相場の急変時に支払い間隔や上限・下限を調整する権利を留保しています。保有前に fundingInfo API かリアルタイムの資金調達率ページで間隔を確認しましょう。
  • タイミングが効くのは間隔の長い銘柄だけ。ハイパーリキッドとライターは1回が1日分の1/24なので、避ける意味はほぼありません。アスターの8時間銘柄では1回分がまとめてかかり、さらに「15秒のずれ」があるため、UTC 16:00:05 に建てたポジションでも16:00の回が課されることがあります。
  • 証拠金から引かれることがある。アスターでは資金調達は Perps 口座の残高から引かれ、足りなければポジションの証拠金から引かれるため、清算価格が動きます。
  • 差が出るのは中型銘柄。BTC・ETH・SOL では3取引所の8時間換算の差はごく小さく、大きな差が出るのは中型銘柄や新規上場銘柄です。これを取りに行くのが取引所間の資金調達率アービトラージです。

ライターの資金調達:通常レートに張り付く仕組みと保有コスト

ライターは、1時間平均のプレミアムに「clamp(金利 − プレミアム、−0.05%、+0.05%)」を足してから8で割ります。プレミアムが金利(8時間0.01%)から±0.05%以内に収まっている間は、結果がちょうど金利と同じになるため、BTC や ETH の資金調達率は記録上ほとんど「1時間0.0012%」から動きません(API のレートは小数点以下4桁)。2026年8月26日〜9月25日の720時間では、BTC は78%の時間がちょうどこの値で、それを上回った時間は一度もありませんでした。銘柄の種類ごとの設定は次のとおりです(公式ドキュメントと orderBookDetails API、2026年9月25日)。

  • 暗号資産:プレミアム係数1、金利8時間0.01%。通常は1時間0.0012%をロングが支払う。
  • 株・株価指数・商品(RWA):プレミアム係数1/2、金利8時間0.0032%。通常は1時間0.0004%と暗号資産の3分の1。
  • 為替(USD/JPY・EUR/USD など):金利0なので、プレミアムがクランプの外に出ない限り資金調達はゼロ(EUR/USD は720時間の89%で受け払いなし)。
  • 上場前株・上場前トークン:プレミアム係数1/100で、参照価格との差が大きくても資金調達率はほとんど動かない。

ライターの Standard アカウントは取引手数料が0%で、持ち越し手数料・ロールオーバー手数料・借入金利もないので、保有コストは資金調達料だけです。1万ドルの BTC ロングを通常レートで持つと、一晩(8回)0.96ドル、1日2.88ドル、1週間20.16ドル、30日86.40ドル。同じ720時間の実績は BTC 0.7640%(76.40ドル)、ETH 0.6573%、人気アルトの ZEC は1.2854%で、US500 は差し引きでショートが支払う側(−0.0547%)でした。同じ期間のハイパーリキッドは BTC 0.7664%・ETH 0.8277%で、平均はほぼ同じでも、ライターはクランプのおかげで一時的な急騰がありません。国内のレバレッジ手数料(買いでも売りでも建玉に日割りでかかる)と違い、ショートなら受け取る側にもなります(次の章)。確認は取引画面上部の「1HR FUNDING」と「NEXT FUNDING」、自分の受け払いは画面下部の Funding History タブです。

Lighter の BTC 取引画面。上部に 1HR FUNDING +0.0012% と NEXT FUNDING
ライターの BTC 画面(2026年9月19日撮影)。上部に「1HR FUNDING +0.0012%」と次回精算までのカウントダウン、チャートの上に Funding タブ、画面下部に Funding History タブがある。

各レビュー:ハイパーリキッド、ライター、アスター。まとめて比べるなら DEX おすすめ比較へ。

10. 国内取引所の「ファンディングレート」との違い

「ファンディングレート 仮想通貨」で検索すると、国内の暗号資産交換業者の説明ページが多く出てきます。名前は同じでも、国内のレバレッジ取引や CFD の「ファンディングレート」は、この記事で説明している無期限先物の資金調達と仕組みが違うことがあるので注意してください。2026年9月27日に各社の公式ページで確認した内容です。

無期限先物(ハイパーリキッド・ライター・アスター・Binance など)bitFlyer Crypto CFDSBI VCトレード レバレッジ取引
誰と誰の支払いかロングとショートのトレーダー同士(取引所の取り分なし)買い建玉の保有者と売り建玉の保有者の間で授受顧客と SBI VCトレードの間(プラスは顧客から徴収、マイナスは顧客に支払い)
レートの決め方先物と現物(インデックス)の乖離+金利成分の計算式CFD と Lightning 現物の取引価格の乖離に基づいて算出カバー先との間で受け払いするファンディングレート等を基に同社が算出
頻度・時刻毎時(ハイパーリキッド・ライター)、4〜8時間(アスター・Binance など)8時間おきの所定の時刻毎日。原則18時までに掲載し、EOD(翌朝6:59:59)のロールオーバー時に適用
ロングとショートのレート同じレートで、片方が払いもう片方が受け取る乖離の向きで、片方から徴収し反対側に付与売建・買建で別のレート(BTC/JPY 9月24〜26日:売建 −0.002%、買建 +0.016%/日)

出典:bitFlyer FAQ「ファンディングレートとは何ですか。」、SBI VCトレード「レバレッジ取引のファンディングレート」ページ(いずれも2026年9月27日確認)。国内の各社のレートは毎日変わります。

ポイントは2つです。第一に、bitFlyer の Crypto CFD は無期限先物に近い仕組みで、価格差を縮めるために保有者同士で受け払いします。第二に、SBI VCトレードのレバレッジ取引は顧客と会社の間の受け払いで、売建と買建のレートが非対称です。9月26日の BTC/JPY なら、買建(ロング)は1日0.016%を支払い、売建(ショート)は0.002%を受け取る設定でした。どちらのレートも同社が決めるもので、DEX のように「ロングの支払い=ショートの受け取り」にはなりません。

国内の暗号資産デリバティブは、登録業者が国内のルールの下で提供するものです(bitFlyer はサイトに暗号資産交換業者 関東財務局長 第00003号・金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第3294号と表示)。一方、海外の DEX はレバレッジが大きく(BTC ならハイパーリキッドで最大40倍)、資金調達のコストもレバレッジに比例して証拠金に重くのしかかります。どちらを使うにしても、比べるときは1日あたり・8時間あたりなど同じ単位にそろえてください(8時間レート×3=1日あたり)。

11. ファンディングレートで市場センチメントを読む

クランプのおかげで、プレミアムが約0.05%を超えて動くまでレートは基準値に固定されます。流動性の高い銘柄で基準値から離れた状態が続くなら、それ自体が情報です。市場がその方向のポジションを持つためにお金を払っている、ということだからです。

資金調達率が高いとはどのくらい?8時間あたりで見ると、0.01%が中立(年率約11%)、0.03〜0.05%は高め(年率33〜55%)、0.1%以上は極端(年率約110%)でレバレッジのロングが混雑している状態、上限(Binance の BTC なら8時間0.3%)付近は踏み上げ相場です。ハイパーリキッドの画面の数字は1時間あたりなので、8倍してから比べます。

マイナスは強気のサイン?マイナスはショートが偏って支払っている状態です。急落の後ならショートカバーの反発が起きやすい場面ですが、下落トレンドでは何日もマイナスが続くこともあり、それだけで買う理由にはなりません。確実なのは、マイナスの間はロングが資金調達を受け取れるということです。

コンタンゴとバックワーデーション。期限付きの先物では、現物より高い状態をコンタンゴ、安い状態をバックワーデーションと呼び、その差は満期に向けてゼロに収束します。無期限先物には満期がないので、同じプレミアム・ディスカウントを資金調達として継続的に払い出します。プラスの資金調達率は無期限先物のコンタンゴ、マイナスはバックワーデーションにあたります。

  • 高いプラス+建玉(OI)の増加:レバレッジのロングが積み上がっています。2026年9月21日、BTC が81,221ドルから87,471ドルまで上昇する中、ハイパーリキッドの BTC 資金調達率は10:00(UTC)に1時間0.00898%と基準値の約7倍に達し、その後3日間で BTC は82,835ドルまで下げました。一例であってルールではありません。
  • マイナス+OI の増加+価格下落:新規のショートが積み上がっています。OI が減りながらのマイナスは、ショートの手じまいであることが多いです。OI そのものの読み方は建玉(OI)の読み方で。
  • 取引所間でレートが違う:ある取引所の参加者が別の取引所より偏っています(一覧表の HYPE によく表れます)。自分の側の支払いが最も少ない取引所で持ちましょう。
  • タイミングの道具ではない:混雑は続くものです。ハイパーリキッドの上限は1時間4%なので、払う側はかなり長く削られ続けることがあります。OI やロングショート比率、清算マップも含めた見方はハイパーリキッドのクジラ追跡ガイドで。

12. ファンディング負けを防ぐ方法

「ファンディング負け」は、計画していなかった資金調達を払い続けて資金がじわじわ減ることです。次の5つの習慣でほとんど防げます。

  1. 持つ前に測る:レートと支払い間隔を確認し、レート × 想定元本 × 支払い回数で予定保有期間のコストを出します(上の試算でできます。取引所ごとの支払い間隔と上限まで見るなら英語版のFunding Rate Calculator)。狙う利益の4分の1を超えるようなら、保有期間を短くするか見送り。実際に払った額はトレード日誌に手数料・スリッページと並べて記録します。
  2. 払う側なら保有を短く:資金調達がプラスの相場でロングを持つなら、時間が経つほどコストがかかります。材料の直前に入り、混雑したアルトのロングを何日も放置しない。受け取る側なら長めの保有も合理的ですが、清算リスクが許す範囲に限ります。
  3. 総コストが安い取引所を選ぶ:第7章の30日間では、BTC ロングの資金調達は1万ドルあたりハイパーリキッドで76ドル、アスターで45ドルでした。同じ基準で比べてから選びましょう。手数料が少し高くても、資金調達が数日分安ければそちらが得なことがあります。
  4. レバレッジと保有時間の上限をセットで決める:資金調達は想定元本に比例するので、同じレートでも20倍の口座は5倍の口座の4倍の速さで削られます。最長保有時間(例:シナリオを見直さない限り48時間)を決め、逆行と次の数回分の資金調達に耐えられる証拠金を残します。
  5. 数週間のロングは現物で:現物に資金調達はありません。資金調達がプラスの相場で何週間も持ちたいなら、現物で持ち、レバレッジ部分だけ小さめの先物にするか、資金調達の高い取引所でショートしてヘッジします(第13章)。

時刻の注意点も2つ。8時間ごとの取引所で UTC 7:59 に建てると、1分後に丸1回分を払うことになるのでカウントダウンを確認しましょう。毎時の取引所では1回の額が8分の1なので、避ける意味はほとんどありません。また、ハイパーリキッドの API の premium が8時間換算で約0.05%を超えると、次のレートは基準値を離れます。

自分の側のコストが最も安い取引所を選ぶ

ライターの Standard アカウントは取引手数料0%・資金調達は毎時(コード 718610TD)。アスターは BTC・ETH が8時間ごと(コード DTLpLc)。ハイパーリキッドは板が最も厚い(コード HOLYGRAIL で手数料4%割引)。

ライターを開く →

13. ファンディングレート・アービトラージの概要

資金調達を受け取る側を持ち、価格の変動はヘッジで消す取引です。キャッシュ・アンド・キャリー:現物を買い、同じ枚数の無期限先物をショートして、価格リスクなしに資金調達を受け取る。取引所間:資金調達の高い取引所でショート、低い取引所でロングして差を取る。基準値のままなら手数料前で年率約11%なので、基準値を大きく上回る銘柄でないと割に合いません。上の週なら、ハイパーリキッドで NIL をショートした人は手数料とヘッジのコスト前で1.38%を受け取り、BTC のショートは0.22%でした。実際に損をする原因は、ショート側の清算、資金調達の反転、ベーシスの変動、両レッグの手数料です。取引所ごとの今のレート差は6章の一覧で確認できます。

ファンディング裁定(現物ロング+無期限ショート)の組み方

ハイパーリキッドなら1つのアカウントで両レッグを組めます。現物(HYPE/USDC、または UBTC・UETH などの Unit トークン)を買い、同じ枚数を無期限先物でショートすると、価格の上下は相殺され、資金調達がプラスの間は毎時ショート側が受け取ります。成行で入ると往復で現物テイカー0.07%×2と先物テイカー0.045%×2がかかるので、指値(メイカー:現物0.04%・先物0.015%)で入るのが基本です。Unit トークンにはブリッジの保管リスクがあり、ショート側は値上がりで含み損が膨らむので、レバレッジを低めにして清算価格を離しておきましょう。

  • CEX をレッグに使うなら規約を確認:取引所間の裁定でよく使われる海外 CEX は、日本居住者の扱いが変わることがあります。Bybit の日本居住者向けの取引サービスは、2026年3月23日12:00(日本時間)からクローズオンリー、2026年7月22日12:00(日本時間)に未決済ポジションを強制決済(暗号資産の出金は引き続き可能)という経過で終わりました。本人確認のいらない DEX 同士(ハイパーリキッドとライターなど)で組むのも選択肢です。
  • 税金で利ざやが縮む:現物レッグの売買にも損益が出て、証拠金取引の所得は総合課税の雑所得です。税率は所得税が最高45%、住民税が10%なので、月に数十ドルの利ざやは税引き後にさらに小さくなります(資金調達の受け払いの扱いは14章)。

ファンディング裁定の計算機

建てる前に自分のペアで試算してください。2つのレッグと、8時間あたりのファンディングを入力します(現在値ではなく、7章の7日累計を21で割った値を使うのがおすすめ)。手数料は各取引所の現行料率、ボタンは6章の一覧で取引所間の差が大きい銘柄の現在値を読み込みます。

リアルタイム値:
純ファンディング収入—
往復手数料—
純利益—
損益分岐—
必要資金—
資金に対する年率—
スプレッド年率(グロス)—
手数料=ファンディング何日分—

保有期間中レートが一定と仮定しています(実際は変わります)。現在値ではなく7日平均で入力してください。現物ヘッジの必要資金=想定元本+先物の証拠金。ポートフォリオマージン(BTC・HYPE)やライターのMulti-Asset Margin(ETH)ならほぼ想定元本まで下げられます。スリッページ・ガス代・出金手数料は含みません。

片側のレッグだけの資金調達は5章の試算、2〜3倍の先物レッグの清算価格は清算価格計算ツールで確認できます。

14. 日本のトレーダー向けの注意点(税金・記録・入金・規制)

  • 税金:国税庁の暗号資産 FAQ(令和7年12月版)に資金調達(ファンディング)の記載はありません。暗号資産の証拠金取引は申告分離ではなく総合課税の雑所得とされ(問2-12)、損失はほかの所得と相殺できません(問2-11)。資金調達の受け払いの扱いは税理士に確認してください(本記事は税務上の助言ではありません)。
  • 記録:ハイパーリキッドは Funding History を CSV で出力でき、列は Time・Market・Size・Side・Payment・Rate です。損益計算ツールに取り込むときにも使えます。
  • 入金ルート:日本円から始めるなら、国内取引所で暗号資産を買って自分のウォレットに送り、DEX に入金するのが一般的です(ハイパーリキッドの主な証拠金は USDC です)。手順はハイパーリキッドの使い方で解説しています。
  • 規制:ハイパーリキッド・ライター・アスターはいずれも日本の暗号資産交換業者として登録されていません。資金決済法の登録義務(第63条の2)と無登録営業の罰則(第107条)は事業者に課されるもので、海外サービスを使う個人を罰する規定はありませんが、国内業者のような分別管理などの利用者保護は受けられず、トラブル時に国内の当局を頼ることもできません(詳しくは日本から使えるか)。
  • 表示の違い:ハイパーリキッドの画面は1時間あたり、Binance などは8時間あたり、国内のレバレッジ取引は1日あたりで表示することがあります。比べるときは単位をそろえましょう(8時間レート×3=1日あたり)。

15. よくある質問

仮想通貨の資金調達率(ファンディングレート)とは?

無期限先物(パーペチュアル)のロング保有者とショート保有者の間で、一定間隔ごとにやり取りされる支払いです。プラスならロングがショートに、マイナスならショートがロングに支払い、取引所は何も取りません。満期のない無期限先物の価格を現物に近づけるための仕組みで、中立的な水準は8時間あたり0.01%(1万ドルのポジションで1日約3ドル)です。

ビットコインの資金調達率は今いくら?

2026年10月20日 03:53 UTC時点の BTC の資金調達率(8時間あたり)は、ハイパーリキッド 0.0100%、ライター 0.0096%、アスター 0.0092%、Binance 0.0099%、Bybit 0.0055%でした。基準値は8時間あたり0.01%(1時間あたり0.00125%)です。レートは毎回変わるので、このページの一覧表(6時間ごとに更新)か、各取引所の取引画面のカウントダウン横の表示で確認してください。

資金調達率がマイナスだとどうなる?

ショートがロングに支払います。無期限先物が現物より安く取引されている状態で、急落後やショートが混雑したときに起こります。ロングを持っていれば、マイナスの間は資金調達を受け取れます。2026年9月26日までの1週間では、ハイパーリキッドの TRUMP が168時間中25時間マイナスでした。

マイナスの資金調達率は上昇(強気)のサイン?

それだけでは判断できません。マイナスはショートが偏って支払っている状態で、ショートカバーによる反発が起きやすい一方、下落トレンドの間は何日もマイナスが続くこともあります。建玉(OI)と価格を合わせて見ましょう。価格下落中に OI が増えながらマイナスなら新規ショートの積み上がり、OI が減りながらのマイナスはショートの手じまいです。

資金調達率が高いとはどのくらい?

8時間あたり0.01%(年率約11%)が中立。0.03〜0.05%(年率約33〜55%)でロングが本格的なプレミアムを払っている状態、0.1%以上(年率約110%)はレバレッジのロングが混雑した極端な水準です。上限は Binance・アスターの BTC が8時間0.3%、ライターが8時間4%、ハイパーリキッドが1時間4%です。

資金調達率の一覧表はありますか?どこで確認できますか?

このページの「資金調達率一覧(取引所比較)」で、BTC・ETH・SOL・XRP・DOGE・HYPE をハイパーリキッド・ライター・アスター・Binance・Bybit で8時間換算して並べています(6時間ごとに更新)。ほかに CoinGlass の資金調達率一覧表、CoinMarketCap、Coinalyze、ハイパーリキッドの Funding Comparison ページがあります。自分のポジションが実際に払う額は、各取引所の取引画面(レートと次回までのカウントダウン)と Funding History で確認します。

資金調達は何時間ごとに支払われる?

ハイパーリキッドとライターは毎時です。Binance・Bybit・アスターは BTC・ETH で8時間ごと(UTC 0時・8時・16時=日本時間9時・17時・1時)、ほかの多くの銘柄で4時間ごと(1時間や2時間の銘柄もあり)。毎時0.00125%は8時間0.01%と同じです。

資金調達の時刻前に決済すれば支払わなくて済む?

はい。資金調達は決済時刻にポジションを持っている人に課され、日割りはありません。8時間ごとの取引所では、時刻の直前に閉じればその回は支払いなしです。ただしアスターのドキュメントには15秒のずれがあると書かれています。毎時の取引所では1回の額が8分の1なので、時刻を気にする意味はほとんどありません。

1週間ポジションを持つといくらかかる?

基準値なら1万ドルあたり7日で21ドルです。2026年9月26日までの7日間の実績では、1万ドルの BTC ロングがハイパーリキッドで21.81ドル、ライターで20.06ドル、アスターで8.01ドル、Binance で8.50ドル、Bybit で9.13ドルを支払いました。混雑したアルトでははるかに高く、ハイパーリキッドの NIL ロングは同じ週に1万ドルあたり137.99ドルでした。

資金調達(ファンディング)と取引手数料・金利の違いは?

資金調達はトレーダー同士の支払いで、資金調達の時刻ごとにポジション全体の価値にかかり、受け取る側に回ることもあります。取引手数料は約定ごとに取引所に払うもの(新規と決済の2回)。金利は現物の信用取引などで借りた額に対して貸し手に払うもので、時間とともに増えます。無期限先物のポジションは取引手数料と資金調達を払い、借入金利はかかりません。

取引所によって資金調達率が違うのはなぜ?

取引所ごとに参加者と板が違い、ある取引所ではロングが、別の取引所ではショートが偏ることがあるからです。仕組みも少しずつ違い、プレミアムの取り方、インパクト価格に使う板の量、支払い間隔、上限、金利成分が0.01%か0%か、が異なります。そのため同じ銘柄でも取引所によって符号が逆になることがあり、これが取引所間の資金調達率アービトラージの源です。

国内取引所のファンディングレートと同じもの?

名前は同じでも仕組みが違うことがあります。bitFlyer の Crypto CFD は CFD と現物の価格差に基づく金額を8時間ごとに建玉の保有者同士で授受する方式で、無期限先物に近い仕組みです。SBI VCトレードのレバレッジ取引は、同社がカバー先とのレート等を基に毎日算出し、売建と買建で別のレート(2026年9月26日の BTC/JPY は売建 −0.002%、買建 +0.016%)を顧客と同社の間で受け払いします。

「資金調達」とは何ですか?企業の資金調達と関係ある?

関係ありません。企業が株式や借入でお金を集める「資金調達」とは別物で、ここでの資金調達率は英語の funding rate の訳語です。無期限先物のロングとショートの間の支払いを指し、「ファンディングレート」「資金調達料率」とも呼ばれます。

資金調達で得た利益や払った額は税金でどう扱う?

国税庁の暗号資産 FAQ(令和7年12月版)には資金調達(ファンディング)についての記載がありません。暗号資産の証拠金取引は雑所得・総合課税とされていますが(問2-12)、資金調達の受け払いの扱いは税理士に確認してください。取引所の Funding History を CSV で保存しておくと計算が楽になります。本記事は税務上の助言ではありません。

毎時の資金調達・ガス代なしで無期限先物を取引

ハイパーリキッドは 178 市場で、資金調達を毎時トレーダー同士で精算します。紹介コード HOLYGRAIL で最初の2,500万ドルまで手数料4%割引(紹介コードの仕組み)。

ハイパーリキッドを開く →

開示:HOLYGRAIL、718610TD、DTLpLc は当サイトの紹介コードで、紹介経由のアカウントの取引手数料の一部を受け取ります(あなたの負担は増えません)。計算式と上限は各取引所の公式ドキュメントと API、一覧表はビルド時(6時間ごと)に自動更新、7日・30日の履歴は2026年9月26日に公開 API から取得したものです。投資助言ではありません。