無期限先物(パーペチュアル)とは:価格チャートを囲む無限ループ、ロングとショートの矢印、その間を流れる資金調達率のイメージ

ひと言でいうと:無期限先物(パーペチュアル先物、perp)とは、ビットコインなどの価格に連動し、満期(期限)のない先物取引です。証拠金を預けてロング(買い)かショート(売り)を選び、レバレッジをかけて取引します。コインそのものは受け取りません。満期がない代わりに、ロングとショートの間で資金調達率(ファンディングレート)を受け払いして価格を現物に近づけます。支払いはハイパーリキッド(Hyperliquid)では1時間ごと、Binance の BTC では8時間ごとです。海外取引所のほか無期限先物DEXでも取引でき、DEX全体の24時間出来高は約176.6億ドルです(2026年9月27日、DefiLlama)。

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1. 無期限先物とは?意味を1分で

ふつうの先物取引は「決まった日に、決まった価格で売買する約束」です。無期限先物は、この「価格の約束」だけを残して「決まった日(満期)」をなくしたものです。1分でも1年でも持ち続けられ、ポジションが終わるのは自分で決済したときか、清算(ロスカット)されたときだけです。

ここから、無期限先物の性格を決める3つのことが導かれます。

  • コインは受け取らない。BTC の無期限先物は BTC の「価格」に対する契約で、損益は現金(ハイパーリキッドでは USDC)で受け払いします。ハイパーリキッドの契約仕様書でも、USDC を証拠金とし、オラクル価格を USDT 建てとする「リニア・パーペチュアル」と説明されています。
  • 上げでも下げでも取引できる。ロング(買い)は値上がりで、ショート(売り)は値下がりで利益が出ます。現物のように「持っていないと売れない」ことはありません。
  • レバレッジをかけられる。ポジション金額の一部を証拠金として預けるだけでよいので、小さな値動きでも損益が大きくなります。

呼び方はいろいろあります。無期限先物、パーペチュアル先物、永久先物、永久スワップ、英語では perpetual futures・perpetual swap・perp(パープ)。どれも同じ商品です。

2. 無期限先物の3つの特徴

特徴意味ハイパーリキッドの場合(2026年10月19日確認)
① 満期がない満期日も、限月の乗り換え(ロールオーバー)もない契約仕様書の満期欄は「N/A(資金調達は1時間ごと)」
② 資金調達率ロングとショートの間の定期的な受け払いで、価格を現物に近づける1時間ごと、上限は1時間あたり4%。トレーダー同士の受け払いで、取引所は手数料を取らない
③ レバレッジポジション金額の一部を証拠金として預けるBTC 最大40倍、ETH 最大25倍。無期限先物は178銘柄(2026年10月20日時点)

3. 証拠金・レバレッジ・ロングとショート

証拠金は担保として預けるお金、レバレッジはポジション金額÷証拠金です。証拠金1,000ドル・10倍なら、1万ドル分のポジションを持てます。覚えておきたい証拠金は2つです。

  • 当初証拠金:ポジションを建てるのに必要な額。ハイパーリキッドでは「1÷設定したレバレッジ」で、10倍なら10%です。
  • 維持証拠金:ポジションを維持するために最低限必要な資産。ハイパーリキッドでは「その銘柄の最大レバレッジでの当初証拠金の半分」で、BTC(最大40倍)はポジション金額の1.25%、ETH(最大25倍)は2%です。これを下回ると清算されます。

証拠金に使うのはふつうステーブルコインで、ハイパーリキッドなら USDC、取引所の多くの無期限先物なら USDT です。一方、Binance の COIN-M(コイン証拠金)の無期限先物のように、BTCUSD なら BTC そのものを証拠金にする契約もあり、その場合は証拠金の価値自体も価格と一緒に動きます。

コイン建て(インバース)と USDT・USDC 建て(リニア)の違い

USDT・USDC 建て(リニア)コイン建て(インバース・Coin-M)
証拠金・損益の通貨ステーブルコイン(USDT・USDC)そのコイン自体(BTCUSD なら BTC)
契約の単位コイン数量(例:0.1 BTC)ドル額(例:Binance BTCUSD は1契約100ドル)
担保の価値一定(ペッグが外れない限り)コインの値動きと一緒に上下する
向いている人初心者、複数銘柄のレバレッジ取引BTC 建てで資産を管理する長期保有者、保有コインのヘッジ
DEX での取扱いあり:ハイパーリキッド、ライター、アスターなどなし:海外 CEX のみ(Binance COIN-M、Bybit、OKX、Deribit)

注意したいのはコイン建てのロングです。価格が下がるとポジションの損失に加えて担保のコインの価値も下がる「二重のエクスポージャー」になるため、証拠金がゼロになるまでの値幅はリニアより狭くなります(維持証拠金と手数料を無視すると、2倍のロングはリニアが−50%、コイン建てが約−33%)。逆に、BTC を持ったまま同じ額のコイン建てショートを建てると、ドル建ての価値をほぼ固定できます。DEX で同じことをするなら、BTC を持ったまま USDC 建ての無期限先物をショートします。

マージンモードも選びます。分離(アイソレーテッド)はポジションごとに証拠金を分けて管理し、クロスは口座の残高全体を全ポジションで共有します。クロスは清算価格が遠くなる代わりに、残高全体がリスクにさらされます。詳しくはクロスマージンと分離マージンの違いへ。

損益のルールはひとつだけです。価格が1%動くと、証拠金は「1%×レバレッジ」動きます。10倍なら1%の値動きで証拠金の10%が増減します(これを ROE と呼びます)。清算や含み損益には直近の約定価格ではなく、複数の取引所の価格を組み合わせたマーク価格が使われるので、一瞬の異常な約定だけで清算されることは起きにくくなっています(マーク価格とインデックス価格)。

ハイパーリキッドの BTC-USDC 無期限先物の注文画面:Cross・20x、Buy / Long と Sell / Short、数量、清算価格と必要証拠金、ヘッダーにマーク価格・オラクル価格・建玉・資金調達率
無期限先物の注文画面の見方(ハイパーリキッド BTC-USDC、2026年9月)。①上部:マーク価格(Mark)・オラクル価格(Oracle)・24時間出来高・建玉(Open Interest)・現在の1時間あたり資金調達率(0.0013%=基準値0.00125%の四捨五入)。②右上:マージンモード(Cross)とレバレッジ(20x)。③Buy / Long(ロング)か Sell / Short(ショート)。④数量、Reduce Only、Take Profit / Stop Loss(利確・損切り)。⑤数量を入れると清算価格(Liquidation Price)・注文金額・必要証拠金が表示される。

4. 資金調達率(ファンディングレート)の仕組み

通常の先物は満期日に現物価格で精算されるので、自然と現物に近づきます。無期限先物には満期がないため、別の「錨(いかり)」が必要です。それが資金調達率で、一定間隔ごとに一方がもう一方にポジション金額の一定割合を支払います。

  • 先物価格>現物価格 → 資金調達率がプラス → ロングがショートに支払う。買いが多すぎる状態なので、先物を売って現物を買う人が報われ、価格差が縮まります。
  • 先物価格<現物価格 → 資金調達率がマイナス → ショートがロングに支払う。

お金が動くのはトレーダー同士の間です。ハイパーリキッドのドキュメントも、資金調達は「完全なピアツーピアで、支払いから手数料は取らない」と明記しています。レートは、8時間あたり0.01%の固定の金利部分(多くの取引所と同じ基準値で、ハイパーリキッドは年率11.6%をショートが受け取る計算と説明)と、先物価格がオラクル価格からどれだけ離れているかを表すプレミアム部分でできています。ハイパーリキッドは8時間分のレートを計算して、その8分の1を毎時支払うので、落ち着いた相場では1時間あたり約0.00125%になります。

支払い間隔と上限は取引所ごとに違います。比べるときは必ず同じ期間に換算しましょう(1時間0.00125%と8時間0.01%は同じコストです)。

取引所種類支払い間隔上限
ハイパーリキッド(Hyperliquid)DEX1時間ごと1時間あたり4%
ライター(Lighter)DEX1時間ごと8時間あたり4%
エッジエックス(edgeX)DEX4時間ごと1回あたり0.2%(BTC・ETH)
アスター(Aster)BTCUSDTDEX8時間ごと1回あたり0.3%
Binance BTCUSDT海外CEX8時間ごと1回あたり0.3%
Bybit BTCUSDT海外CEX8時間ごと1回あたり0.333%

各社の公式ドキュメントまたは公開 API で2026年9月26〜27日に確認。Aster と Binance では、銘柄によって8時間より短い間隔のものもあります。

計算式、取引所ごとのリアルタイムの比較、コスト計算は資金調達率(ファンディングレート)とはで詳しく解説しています。資金調達率は市場の過熱感を見る指標としても使われます。

ハイパーリキッド BTC-USDC の Funding タブ:1時間ごとの資金調達率と累積
ハイパーリキッドの BTC-USDC「Funding」タブ(2026年8月27日〜9月26日)。月の大半は8時間0.01%の基準値に張りつき、ときどきマイナスに振れています。右肩上がりの線は、ロングが支払った累積の資金調達率です。

5. 現物・通常の先物・オプションとの違い

現物通常の先物(CME など)無期限先物
コインを保有する?するしない(差金決済)しない(差金決済)
満期なしあり(月次・四半期)。続けるには乗り換えなし
現物価格との連動現物そのもの満期日に収束。それまでは価格差(ベーシス)がある資金調達率の受け払い
保有コストなしベーシス(価格に織り込み済み)資金調達率(支払うことも受け取ることも)
レバレッジなし(1倍)取引所の証拠金で決まるハイパーリキッドの BTC で最大40倍、Bybit BTCUSDT で最大150倍
空売り(ショート)借りないとできないできるワンクリックでできる
清算(ロスカット)なしありあり(自動)
取引単位自由固定(CME マイクロビットコインは0.1 BTC)ごく少額から
取引場所国内外の取引所、DEX規制された先物取引所(証券会社経由)海外CEX、無期限先物DEX

何年も持ち続けるなら、清算のない現物のほうがシンプルです。無期限先物が向いているのは、レバレッジ、ショート、ヘッジを、資金調達率が小さいうちの期間で使う場面です。日本から CME 先物を使う場合はよくある質問にまとめています。

無期限先物とオプションの違い

オプションは「決めた価格で満期までに買う(コール)・売る(プット)権利」で、買い手はプレミアムを払うだけで清算されません。同じ方向の賭けでも、コストとリスクの形が無期限先物とはまったく違います。

無期限先物オプション(買い手)
持っているもの価格に比例するポジション(ロングなら1ドル上昇で1単位1ドルの利益)権利行使価格で買う(コール)・売る(プット)権利
満期なしあり(Deribit の BTC オプションは満期日の 08:00 UTC=日本時間17時に決済)
最初に払うもの証拠金(戻ってくる担保)+取引手数料プレミアム(支払って終わり)
保有コスト資金調達率(ハイパーリキッドは1時間ごと)時間価値の目減り(セータ)。プレミアムに織り込み済み
最大損失証拠金(清算)。クロスマージンでは口座全体に及ぶプレミアム
清算あり買い手はなし(売り手は証拠金を入れ、清算もある)
損益分岐建値+手数料+資金調達権利行使価格+プレミアム(コール)/−プレミアム(プット)
ボラティリティの影響直接はなしあり。インプライドボラティリティが上がるとプレミアムも上がる

使い分け:近いうちに動くと見ているとき、サイズを自由に増減したいとき、オプション市場のないアルトコインを取引したいときは無期限先物。損失の上限を先に決めたいとき、大きく動くと思うがタイミングが読めないとき、イベント前に現物へ保険をかけたいときはオプションです。オンチェーンのオプションは先物よりずっと板が薄く、スプレッドも広い点に注意してください。先物で方向性をとり、安いアウト・オブ・ザ・マネーのプットを保険に持つ組み合わせも一般的です。

保有期間で比べる:現物と無期限先物、どちらが安い?

ハイパーリキッドでは1回の手数料は無期限先物のほうが安く(基本ティアのテイカーで先物0.045%、現物0.070%)、持っている間のコストは現物がゼロです。BTC を1万ドル分、成行で買って売る場合を比べると次のようになります(先物は1倍ロング、資金調達は基準値の8時間0.01%が続くと仮定)。

保有期間現物:往復の手数料無期限先物1倍:往復の手数料+資金調達
1日14.00ドル9.00ドル + 3.00ドル = 12.00ドル
7日14.00ドル9.00ドル + 21.00ドル = 30.00ドル
30日14.00ドル9.00ドル + 90.00ドル = 99.00ドル
90日14.00ドル9.00ドル + 270.00ドル = 279.00ドル
1年14.00ドル9.00ドル + 1,095.00ドル = 1,104.00ドル

ハイパーリキッド公式の手数料表と資金調達の基準値から当サイトが計算。価格は変わらないと仮定。紹介コードを使うと手数料の部分は4%下がります。

先物が安いのは約1.7日までで、それより長く持つなら現物が有利です。実際の BTC の資金調達は、2026年9月25日までの30日間で想定元本の0.77%、12か月で5.95%をロングが支払いました(ハイパーリキッドの毎時レートの合計)。レバレッジを上げて証拠金を減らしても、資金調達はポジション金額にかかるので保有コストは変わりません。

  • 現物が有利:数週間〜数年持つ、清算を気にせず下落に耐えたい、コインそのもの(出金・ステーキング・DeFi)が欲しい、ロングが過熱して資金調達率が高い。
  • 無期限先物が有利:数時間〜数日で手仕舞う、ショートやヘッジをしたい、少ない資金で同じ値動きを取りたい、資金調達が自分の側に支払われている。

現物の経験があるなら、最初は1倍・分離マージンの無期限先物から始めると、値動きのリスクは現物とほぼ同じまま資金調達の感覚をつかめます。短期のつもりが数週間の保有になったロングは、現物に移したほうが安くなります。現物の注文画面はハイパーリキッドの現物取引ガイド、国内のレバレッジ取引との比較は無期限先物と信用取引の比較で解説しています。

6. 具体的な計算例(実際の手数料で)

ハイパーリキッドに1,000ドルの USDC を入金し、BTC を10倍でロングしたとします。ポジション金額は10,000ドル、分離マージンです。

値動き無期限先物:1,000ドル×10倍現物:1,000ドル分の BTC
BTC +5%+500ドル(証拠金の+50%)+50ドル(+5%)
BTC −5%−500ドル(証拠金の−50%)−50ドル(−5%)
BTC −8.86%清算:証拠金を失う−88.61ドル。BTC は手元に残る
  • 取引手数料。成行注文はテイカー扱いで0.045%(基本ティア)。建てるときに4.50ドル、往復で9.00ドルです。紹介コードの4%割引があればテイカー0.0432%、往復8.64ドル。参考までに Binance の USDⓈ-M 先物は通常ティアでテイカー0.05%/メイカー0.02%です。
  • 資金調達率。基準値(8時間0.01%)なら、ロングは8時間ごとに1.00ドル(ハイパーリキッドでは1時間0.125ドル)、1日で約3.00ドル、30日で90.00ドルを支払います。計算のもとは証拠金ではなくポジション金額10,000ドルです。レートがマイナスなら逆に受け取ります。
  • 清算。BTC の維持証拠金1.25%で計算すると、10倍の分離ロングは約8.86%の下落で清算されます(エントリー価格×(1−1/10)÷(1−1.25%))。

現物なら50ドルの損で済む5%の下落が、10倍では証拠金の半分になる。多くの人が実際に損をしてから気づくポイントです。

7. 清算(ロスカット)とレバレッジ別の早見表

資産が維持証拠金まで減ると、取引所がポジションを強制的に決済します。ハイパーリキッドはまず板に成行注文を出して決済し、残った証拠金はトレーダーの手元に残ります。板で決済しきれないまま資産が維持証拠金の3分の2を下回ると、HLP の一部である清算用ボールトがポジションを引き取るバックストップ清算になり、このとき維持証拠金は戻りません。清算に別途の手数料(クリアランスフィー)はかかりません。

ハイパーリキッドで分離マージンの BTC ポジションが清算されるまでの値幅(公式の式、BTC の維持証拠金1.25%、手数料と資金調達は除く):

レバレッジ当初証拠金ロングが清算される下落幅ショートが清算される上昇幅1%の値動きでの損益
2倍50.0%49.37%48.15%2%
3倍33.3%32.49%31.69%3%
5倍20.0%18.99%18.52%5%
10倍10.0%8.86%8.64%10%
20倍5.0%3.80%3.70%20%
40倍2.5%1.27%1.23%40%

ロング:(1/L − m) ÷ (1 − m)、ショート:(1/L − m) ÷ (1 + m)、m=1.25%。ETH(2%)や維持証拠金率の高い小型銘柄は、同じレバレッジでもより早く清算されます。クロスマージンではレバレッジ設定ではなく口座残高全体で清算価格が決まります。

クロスマージンの計算、段階制の証拠金、取引所ごとの違いは清算価格(ロスカット価格)の計算方法で解説しています。

8. 無期限先物の試算

自分の数字で試してみてください。ハイパーリキッドの基本ティアのテイカー手数料、BTC の維持証拠金、8時間0.01%の資金調達率の基準値をレジストリから読み込んでいます(分離マージン。清算までの値幅には手数料を含めていません)。

ポジション金額
–
その値動きでの損益
–
清算されるまでの逆行幅
–
往復のテイカー手数料(コード適用時)
–
1日の資金調達(基準値)
–
ハイパーリキッド計算ツール — ハイパーリキッドの1ポジションを丸ごと計算:証拠金・清算価格・手数料・毎時ファンディング・損益とROE。 — 計算ツールを開く →

9. 無期限先物の使い道

  • レバレッジをかけた売買。いちばん多い使い方です。少ない資金で相場観を表現できます。
  • ショート(空売り)。コインを借りずに値下がりに賭けられます。安全なやり方はDEXでのショートのやり方へ。
  • ヘッジ(保険つなぎ)。現物の BTC を持ったまま同じ量の BTC 無期限先物をショートすると、売らずにドル建ての価値を固定できます。無期限先物でのヘッジ方法。
  • 資金調達率の裁定(アービトラージ)。現物ロング+無期限先物ショートで価格変動を相殺し、プラスの資金調達率を受け取る「デルタニュートラル」の取引です。レートが下がれば利回りも下がります(資金調達率アービトラージ)。
  • 現物では買いにくい市場。ハイパーリキッドには HIP-3 の仕組みで株・指数・コモディティの無期限先物もあります(trade.xyz の株式パープ)。

10. メリットとリスク

メリット

  • 満期がないので、限月の乗り換えを気にせず持ち続けられる。
  • ロングもショートも同じ手軽さで取引できる。
  • 少ない証拠金で大きなポジションを持てる(資金効率)。
  • DEX なら 24時間365日、自分のウォレットのまま取引でき、手数料も低い(ハイパーリキッド テイカー0.045%/メイカー0.015%)。

リスク

  1. 清算。無期限先物で損をするいちばんの原因はハッキングではなくレバレッジです。慣れるまでは2〜5倍、建てる前に損切りを設定しましょう。
  2. 資金調達率のコスト。一方向にポジションが偏った相場では、基準値よりはるかに高い資金調達率がかかることがあります。ハイパーリキッドの上限は1時間4%。何日も持つ前にレートを確認してください。
  3. 急変動と滑り。損切りは成行注文なので、急変時にはトリガー価格より不利な価格で約定します。
  4. 取引所のリスク。CEX では取引所が証拠金を預かります。DEX ではスマートコントラクト、オラクル、バリデーターを信頼することになります。どの取引所にも取引に使う分だけを置きましょう。
  5. 規制と税金。国や地域によって扱いが違い、日本では利益が雑所得・総合課税になります(第14章)。

チェックリストは無期限先物のリスク管理にまとめています。

11. 無期限先物の歴史

  • 1993年。イェール大学の経済学者ロバート・シラーが、学術誌 Journal of Finance(第48巻第3号)の論文で「perpetual futures」を提案しました。不動産価格指数のように直接売買しにくい資産について、現金決済のデリバティブを作る方法としてです。
  • 2016年。BitMEX が5月13日、8時間ごとに資金調達を行うビットコインの無期限スワップ XBTUSD を上場しました(BitMEX 公開 API の上場日)。8時間という間隔は、今も Binance や Bybit の BTC で使われています。
  • オンチェーンへ。無期限先物DEXによって、自分のウォレットのまま取引でき、ポジションも公開されるオンチェーンの無期限先物が広がりました。2026年9月には、DEX全体の無期限先物の30日出来高は6265億ドル、そのうちハイパーリキッドが2169億ドル(35%)です(DefiLlama、2026年9月27日)。
  • 2026年の米国。5月29日に CFTC(米商品先物取引委員会)が Kalshi の現金決済ビットコイン無期限先物を規制下の取引所で承認し、6月に CME が CFTC を提訴、9月に CFTC が訴えの却下を申し立てました。

12. どこで取引できる?国内取引所・海外CEX・DEX

無期限先物を取引できる場所は大きく3つです。DEXでの取引もすでに大きな規模になっており、2026年9月27日の DefiLlama では無期限先物DEX全体で24時間出来高約176.6億ドル、建玉約145.1億ドルでした。

無期限先物DEX(ハイパーリキッド)海外CEX(Binance・Bybit)国内の登録業者
商品無期限先物無期限先物満期のない「暗号資産CFD」「レバレッジ取引」
資産の管理自分のウォレット取引所が保管取引所が保管(分別管理の義務あり)
本人確認(KYC)不要必要必要
BTC の最大レバレッジ40倍Bybit 150倍個人は2倍(内閣府令)
保有コスト資金調達率(1時間ごと)資金調達率(BTC は8時間ごと)日次のレバレッジ手数料(bitFlyer Crypto CFD 0.04%/日、GMOコイン 0.04%/日)、SBI VCトレードはファンディングレート
取引手数料(テイカー/メイカー)0.045% / 0.015%Binance 0.05% / 0.02%bitFlyer Crypto CFD 0%、GMOコイン(BTC/JPY)0%、SBI VCトレード 0%(いずれも無料)
日本円使えない(USDC を入金)サービスによる使える
日本の利用者保護なしなしあり

国内業者の数値は各社の手数料ページ(2026年9月26〜27日確認)。楽天ウォレットの証拠金取引も2倍です。

無期限先物DEXを選ぶなら、DEXおすすめ比較でハイパーリキッド、ライター、アスター、エッジエックスを用途別に比べ、無期限先物DEXランキングで最新の出来高と建玉を確認できます(6時間ごとに更新)。Binance や Bybit から移る場合はCEXからDEXの無期限先物への移行ガイド、DEX自体が初めてならDEX(分散型取引所)とはから読んでください。

13. ハイパーリキッドで最初の無期限先物を建てる

  1. 国内取引所で USDC か ETH を用意する。DEX は日本円を受け付けないので、まず国内の登録業者で購入し、自分のウォレットに送ります(送れるチェーンは業者ごとに違うので、先に確認して少額でテスト送金を)。
  2. 紹介リンクからハイパーリキッドを開く。app.hyperliquid.xyz/join/HOLYGRAIL を開き、ウォレット(Rabby・MetaMask)をつなぐかメールでログインし、「Enable Trading」(無料の署名)をクリック。紹介コードは、取引量が10,000ドルを超える前に登録する必要があります。
  3. USDC を入金する。最低入金額は5 USDCで、これより少ないと失われることがあります。手順は入金ガイドへ。
  4. 銘柄と証拠金を設定する。BTC-USDC を選び、レバレッジボタンで2〜5倍に、最初は Isolated(分離)を選びます。
  5. 方向と数量を決める。Buy / Long か Sell / Short を選び、失っても困らない数量を入力。注文前に清算価格(Liquidation Price)と必要証拠金(Margin Required)を必ず確認します。
  6. 損切りを入れる。Take Profit / Stop Loss にチェックを入れ、清算価格より十分手前に損切りを置きます。
  7. 資金調達を確認して決済する。Positions タブで含み損益と支払った資金調達額が見られます。成行か指値で決済し、出金します(Arbitrum への USDC 出金は0.2 USDC+少額のガス代)。

全画面の手順はハイパーリキッドの使い方、手数料の全ティアはハイパーリキッドの手数料へ。

手順2から始めるなら

紹介コード HOLYGRAIL で最初の2,500万ドル分の手数料が4%割引(テイカー0.045%→0.0432%)。資金調達は1時間ごと、BTC 最大40倍、注文ガス代なし。

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14. 日本から取引する際の注意点(規制・税金)

以下は e-Gov 法令検索、金融庁、国税庁の一次情報にもとづく一般的な情報で、法律・税務の助言ではありません。個別の判断は弁護士・税理士に確認してください。

個人が海外のDEXを使うこと自体は違法ではない

資金決済法は第63条の2で暗号資産交換業を登録制とし、第107条で無登録営業を罰則の対象にしていますが、義務と罰則の対象は業として行う側(業者)で、利用者個人を処罰する条文はありません。金融庁が「無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について」で警告を公表しているのも海外の業者です。ただし次の点は理解しておきましょう。

  • 利用者保護は受けられない。国内の登録業者に義務づけられている分別管理などの保護は、海外のDEXには適用されません。
  • トラブル時に日本の当局を頼れない。不具合やハッキングで損失が出ても、国内の相談窓口や補償はありません。
  • 利用規約を守る。ハイパーリキッドの利用規約 §1.6 の利用禁止地域は米国、カナダ・オンタリオ州、制裁対象地域で、日本は含まれていません。一方 §1.9 は、自国でレバレッジ取引やデリバティブ取引が認められているかを確認する責任を利用者に置いています。VPN などで地域制限を回避することは絶対にやめてください。
  • レバレッジの差を理解する。国内の登録業者が個人に提供できるのは最大2倍(金融商品取引業等に関する内閣府令、証拠金は取引額の50%以上)。海外やDEXの数十倍は、その分だけ清算までの値幅が狭くなります。

借金になる?損失はどこまで?

ハイパーリキッドのドキュメントでは、最悪のケースは証拠金を失うことです。分離マージンならそのポジションに入れた証拠金、クロスマージンならクロスの残高全体が上限で、分離ポジションのない口座はバックストップ清算後に「口座資産がゼロになる」と説明されています。不足分を後から請求する追証の仕組みは書かれていません。国内業者のレバレッジ取引には追証のルールがあるところもあります(GMOコインはロスカット手数料0.5%に加えて「追加証拠金が解消されないことに伴う強制決済」の手数料を定めています)。いずれにしても、高レバレッジでは証拠金の全額を短時間で失いえます。

税金:雑所得・総合課税

  • 所得区分。国税庁の「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」は、暗号資産取引の利益を原則雑所得としています。
  • 先物も総合課税。同 FAQ は、暗号資産の証拠金取引は FX のような申告分離課税の対象外で、総合課税になると明記しています。所得税と住民税を合わせて最高55%です。
  • 資金調達率と手数料も記録。受け取った資金調達は利益、支払った分や取引手数料は損益計算に含めます。
  • 記録は自分で。DEXには年間取引報告書がありません。計算方法はDEX取引の税務レポート作成ガイド、ハイパーリキッドの履歴の出し方は取引履歴のCSVエクスポートへ。

15. よくある質問

無期限先物とは?

無期限先物(パーペチュアル先物、perp)は、ビットコインなどの価格に連動し、満期(期限)がない先物取引です。USDC などを証拠金として預け、ロング(買い)かショート(売り)とレバレッジを選ぶと、価格の動きに応じて損益が出ます。満期がない代わりに、ロングとショートの間で「資金調達率(ファンディングレート)」を定期的に受け払いすることで、価格が現物から離れすぎないようになっています。ハイパーリキッドでは1時間ごとに支払われます。

永久先物・パーペチュアル先物・無期限先物は同じもの?

同じものです。英語の Perpetual Futures の訳し方が違うだけで、無期限先物、パーペチュアル先物、永久先物、永久スワップ(Perpetual Swap)、略して perp(パープ)と呼ばれます。「スワップ」という呼び名は、2016年に BitMEX が XBTUSD を「Perpetual Swap」として上場したことで広まりました。

先物の期限はいつまでですか?

通常の先物には「限月」があり、満期日に現物価格で精算されます(たとえば CME のビットコイン先物は毎月最終金曜日に取引が終了)。ポジションを続けたいときは次の限月に乗り換える(ロールオーバー)必要があります。無期限先物には期限がなく、自分で決済するか清算(ロスカット)されるまでポジションが続きます。

Perp(パープ)とは仮想通貨でどういう意味?

「Perp」は Perpetual(無期限)先物の略で、仮想通貨では無期限先物そのもの、または無期限先物の銘柄を指します。「Perp DEX(パープデックス)」は、ハイパーリキッド、ライター、アスター、エッジエックスのような無期限先物を取引できる分散型取引所のことです。なお「Perp とは 株」と検索されることもありますが、株価に連動する無期限先物(株式パープ)もハイパーリキッドなどで取引されています。

「Perpetual」とは金融でどういう意味?

英語の perpetual は「永続する・終わりのない」という意味で、金融では満期のない商品に使われます。無期限先物(perpetual futures)のほか、満期のない債券を永久債(perpetual bond)と呼ぶのも同じ用法です。

通常の先物や現物取引との違いは?

現物はコインそのものを買い、レバレッジも清算もありません。通常の先物は満期があり、満期日に精算されます。無期限先物は満期がなく、資金調達率で現物価格に近づけ、高いレバレッジ(ハイパーリキッドの BTC で最大40倍)で取引でき、損失が証拠金に近づくと清算されます。どちらの先物も現金(USDC など)で決済され、コインは受け取りません。

資金調達率(ファンディングレート)はどう計算する?

支払額=ポジション金額×資金調達率です。基準となる8時間あたり0.01%なら、1万ドルのポジションで8時間ごとに1.00ドル、1日で約3.00ドルです。ハイパーリキッドは8時間分のレートを計算し、その8分の1を毎時支払います(基準値で1時間0.00125%)。支払先は反対側のトレーダーで、取引所の収入ではありません。

無期限先物で借金になる(証拠金以上に損する)ことはある?

ハイパーリキッドでは、ドキュメント上の最悪のケースは「証拠金を失う」ことです。分離(アイソレーテッド)マージンならそのポジションの証拠金、クロスマージンならクロスの残高すべてを失う可能性があり、分離ポジションがない口座はバックストップ清算後に「口座資産がゼロになる」と説明されています。不足分を後から請求する仕組み(追証)は書かれていません。一方、国内業者のレバレッジ取引には追加証拠金(追証)のルールを設けているところがあります(GMOコインの手数料表には「追加証拠金が解消されないことに伴う強制決済」の項目があります)。

国内の取引所で無期限先物は取引できる?

国内の登録業者にも満期のないレバレッジ取引(bitFlyer の Crypto CFD、GMOコインのレバレッジ取引、SBI VCトレードのレバレッジ取引など)はありますが、個人のレバレッジは内閣府令で最大2倍です。コストも仕組みが異なり、bitFlyer Crypto CFD は建玉に日次0.04%のレバレッジポイント、GMOコインは日次0.04%のレバレッジ手数料、SBI VCトレードは変動するファンディングレートを受け払いします。海外取引所や DEX の無期限先物(数十倍のレバレッジ、1〜8時間ごとの資金調達率)とは別の商品と考えてください。

CME のビットコイン先物は日本から取引できる? 無期限先物との違いは?

CME で取引するには、CME の暗号資産先物を扱うブローカーの口座が必要です。日本の証券会社にも CME ビットコイン先物の銘柄情報を載せているところがありますが、個人口座で発注できるか、必要証拠金、税金の扱いは会社ごとに違うので、口座を開く前に確認してください。CME 先物には限月(満期)があって乗り換え(ロール)が必要な一方、資金調達率はなく、取引時間は24時間365日(米中部時間の土曜2:00〜4:00と、月〜金16:00〜16:02のメンテナンスを除く)です。国内業者の暗号資産デリバティブは個人のレバレッジが最大2倍、ハイパーリキッドの無期限先物は BTC で最大40倍と、前提が大きく異なります。

日本から海外の無期限先物DEXを使うのは違法?

個人が海外のDEXを利用すること自体を罰する規定はありません。資金決済法で登録を義務づけられ(第63条の2)、無登録営業が罰則の対象になる(第107条)のは暗号資産交換業を行う業者側です。ただし国内の登録業者に課される利用者保護は受けられず、トラブル時に日本の当局を頼れません。ハイパーリキッドの利用規約は、自国でレバレッジ取引やデリバティブ取引が認められているかを確認する責任を利用者に置いています(§1.9)。法律上の助言ではありません。

無期限先物の利益に税金はかかる?

かかります。国税庁の FAQ は暗号資産の証拠金取引を FX のような申告分離課税の対象外とし、原則として雑所得・総合課税になります(住民税と合わせて最高55%)。資金調達率の受け払いや手数料も損益計算に含めます。DEX には年間取引報告書がないため、取引履歴と資金調達の履歴を自分で保存してください。税務上の助言ではありません。

初心者は何倍のレバレッジから始めるべき?

慣れるまでは2〜5倍までがおすすめです。ハイパーリキッドの BTC ロングは、2倍なら約49%の下落で清算されますが、20倍では約3.8%、ビットコインが1時間で動くこともある幅です。最大40倍は「上限」であって推奨値ではありません。必ず損切り(ストップロス)を入れましょう。

オンチェーンで無期限先物を取引する

オンチェーンの無期限先物の出来高が最も集まるのがハイパーリキッドです(30日間で無期限先物DEX全体の35%、DefiLlama、2026年9月27日)。HOLYGRAIL で登録すると、最初の2,500万ドル分の手数料が4%安くなります。

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開示:HOLYGRAIL(ハイパーリキッド)と 718610TD(ライター)は当サイトの紹介コードで、紹介したアカウントの手数料の一部を受け取りますが、あなたの手数料が上がることはありません。手数料・レバレッジ上限・証拠金率・資金調達のルールは2026年9月26〜27日に公式ドキュメントと公開 API で、市場規模は2026年9月27日に DefiLlama で、BitMEX の上場日は同社 API、シラーの論文は Crossref の書誌情報で2026年9月27日に確認しました。計算例は滑りや資金調達率の変動を考慮していません。投資・法律・税務の助言ではありません。